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日本詩人クラブ

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「新しい詩の声」

「新しい詩の声」2021(第5回)

第5回「新しい詩の声」受賞者決定

2021年4月17日(土)、オンラインによる最終選考会を行い厳正な審査を経て、第5回「新しい詩の声」最優秀賞、優秀賞が決定いたしました。
最優秀賞:故永しほる「咬合」。
優秀賞:瑠芙菜「初恋」、大西久代「夏草の中の小さな花」、オノカオル「夜に朝」。
受賞作品

〈作品公募の概要〉

 日本詩人クラブでは、日本全国の幅広い方々と作品公募を通して連携し、詩文化の普及と発展に寄与したいと考え、「新しい詩の声」の公募を始めました。今回で第5回目の公募実施となります。作品募集は日本詩人クラブの会員ではない方を対象としています(会友の方は応募可能です)。応募作品の中から、最優秀賞(「新しい詩の声」賞)1篇と優秀賞(奨励賞)を2ないし3篇選び、賞状・賞金を授与するとともに、日本詩人クラブのホームページに、公募状況と受賞作品、選考経緯、授賞式の模様などを、また、詩界通信にも公募状況と選考経緯、授賞式の模様などを掲載します。
 第5回「新しい詩の声」には、234名の応募がありました(昨年は167名)。応募者は、北は北海道から南は沖縄県まで、そして1名はアメリカからと、広い地域の皆様からご応募いただきました。また、10代の方が16名(昨年は5名)、このうち女性が14名と、若い女性の方から多くのご参加があったことになります。10代から30代の方を合わせると106名となり、ほぼ半数を占めています。最年少は14歳、最高齢は82歳の方で、男女の応募者数は、ほぼ同数でした。応募者数は昨年の約1.5倍と飛躍的に増加しましたが、新型ウィルス流行のため、出かけたり人と会ったりすることが抑制される中、詩に向き合ってみようと思われた方が多くおられたということではないのでしょうか。
 今後、受賞者以外の参加者全員に応募作品の寸評をお送りするとともに、昨年は実施できませんでしたが、ご希望される方にお集まりいただき、詩をさらに深く学び、詩を語り合う「フォローアップセミナー」を実施したいと考えております。(文責・秋元炯)

〈選考経緯〉

 今回の「新しい詩の声」受賞者選考は、新型ウィルス流行の影響により、昨年に引き続き参集しての開催が出来ず、メール交換による選考委員会となりました。このため、3月26日に始まり4月17日に結論に至るという長い時間をかけた委員会となりました。今回の選考委員は、秋元炯(委員長)、網谷厚子、曽我貢誠、高島りみこ、原詩夏至(50音順)の5名でした。
 先ず、予備選考では、234名の作品から、各委員が4月8日を締切日として4篇を推薦することにしました。その結果、選ばれた予備選考通過作は、以下の16篇(複数回答あり)です。麻生藤「かおりまとう」、天城サナオ「七パーセント」、いちはじめ「これは詩ではない」、入間しゅか「冬の一滴」、江口久路「あの日の楽園」、大西久代「夏草の中の小さな花」、オノカオル「夜に朝」、勝部信雄「初霜」、こまゆ「わたし」、潮江しおり「内側に花弁が開く」、竹之内稔「〈A〉たちの時間」、七まどか「ほとぼり」、堀内すゞ「夜雨に打たれて」、南久子「果実の向うには」、故永しほる「咬合」、瑠芙菜「初恋」(敬称略・50音順。以下同じ)。
 次いで第1次選考では、予備選考通過作16篇の中から、各委員が各々3編、推薦理由を付して改めて推薦することにしました。この中で、複数の推薦があった作品及び各委員がどうしても残したい作品を(これは各人1篇まで)第1次選考通過作としました。これは、以下の7篇です。「七パーセント」、「あの日の楽園」、「夏草の中の小さな花」、「夜に朝」、「果実の向うには」、「咬合」、「初恋」。
 最終の第2次選考では、第1次選考通過作の中から、各委員が最優秀作1編と優秀作2篇を推薦することにし、最優秀作は2点、優秀作は1点を得たとカウントし、得点順に最優秀賞1篇と優秀賞を3篇選ぶことにしました。同点の場合は、最優秀作に推された数が多い方を上位としました。この結果、最優秀賞には、「咬合」、優秀賞には、「初恋」、「夏草の中の小さな花」と「夜に朝」が決まりました。4名の受賞者のうち、20代の方が2名、30代1名、70代1名でした。今回は応募者数が非常に多く、予備選考を通過した作品は何れもレベルの高い作品揃いでした。また、これらの作品以外にも、独創的で個性の光る作品や作者の心情がひしひしと伝わってくる快作がたくさんあったことを申し添えておきたいと思います。
 受賞作の、故永しほる「咬合」は、微妙に噛み合わないまま、それでもぎりぎりの意思疎通がなされていくという現在の人間関係を象徴しているかのような詩型。小気味よい展開のスピード感の中で、現代社会の滑稽さと虚しさ、絶望感が絶妙に表現されています。抑制を効かしながらもスピード感を保持するという、筆力の強かさも感じます。 瑠芙菜「初恋」は、思い通りにならない初恋のもどかしさ、揺れ動く心の揺れ幅の大きさを、瑞々しい言葉で表現した作品です。予断を許さない次々の展開が、傷ついた心情をリアルに訴えかけてくると感じました。
 大西久代「夏草の中の小さな花」は、忘れられ見捨てられた原発事故被災地の現状をまざまざと思い出させてくれる作品。荒れ地の中のひと群れのひなげしの花は、なくしてはいけない希望を象徴しているのだと思います。
 オノカオル「夜に朝」。幼い息子と年老いた父、その二人を前にして、自らの人生の過去と未来を俯瞰的に見つめた作品。「すべては繰り返すのだ」という最終行に、諦念とともに前を向いて進んで行こうとする力強さが出ています。 (文責:秋元 炯)

第5回「新しい詩の声」選考日程・選考委員

選考委員会:2021年4月17日
選考委員:秋元炯(委員長)・網谷厚子・曽我貢誠・高島りみこ・原詩夏至(50音順)

作品募集(締め切りました)

応募資格:日本詩人クラブ会員以外の方、会友は参加できます。
参加費:1,000円
原稿締切日:2021年2月末日
原稿送り先:〒273-0851 千葉県船橋市馬込町952-85山野方 秋元炯(一社)日本詩人クラブ「新しい詩の声」係
作品規定:応募作品は1篇(未発表のものに限ります)。1行は22文字以内、本文34行まで(空行を含め)
お問合わせ:Eメール k.akimoto1441@jcom.zaq.ne.jp(秋元)
選考の上、「新しい詩の声」賞(1篇)賞金3万円+表彰状、奨励賞(2〜3篇)賞金1万円+表彰状。贈呈式は2021年秋を予定。 詳しくはチラシをご覧ください。

受賞作品と選考経過報告

2020年(第4回)

2019年(第3回)

2018年(第2回)

2017年(第1回)