日本詩人クラブ 創設と沿革の概要
日本詩人クラブの創設は昭和23(1948)年に遡る。その年の春、正富汪洋が豊田実を訪ね、設立を提唱。日夏耿之介、西条八十、柳沢健、正富汪洋、豊田実、山宮充を発起人として、打ち合わせのための会合を開き、その後、9回ほど会合を重ねた。
会名を「日本詩人クラブ」と定め、機関誌を「詩界」として、第一期会員を60人程度として出発することとした。業務担当には、(1)渉外:豊田実、柳沢健、(2)編集・出版:正富汪洋、佐藤春夫、服部嘉香、野田宇太郎、(3)庶務・会計:正富汪洋、森川葵村、石川道雄、服部嘉香、(4)講演・放送:柳沢健、南江治郎があたった。
昭和25(1950)年5月14日、発会式ならびに第一回総会を明治神宮北の休憩所にて開催した。出席者は26名。理事長:西条八十。常務理事:山宮允。理事:石川道雄、佐藤春夫、豊田実、南江治郎、野田宇太郎、服部嘉香、正富汪洋、森川葵村、柳沢健。評議員:石川道雄、勝本正晃、川路柳虹、斎籐勇、斎籐政雄、佐藤清、中西悟堂、堀口大学、前田鐵之助、山田耕筰、大和資雄。事務所を正富方に置き、名誉会員に河井酔茗、蒲原有明、土井晩翠、エドマンド・ブランデンを仰ぎ、会員65名で発足した。
『詩界』第1号を昭和25年10月30日に刊行、88ページ。第2号は土井晩翠記念号として昭和26年9月発行。会員も140人に増え、事務所は昭和女子大学構内に置いた。『詩界』第3号以降は毎月刊行の会報形式(10ページ程)。平成17(2005)年に復刻版刊行。
昭和26(1951)年11月から「詩研究会」を設け、毎月開催、約2年間続いた。その他にも、詩の朗読会や講演会を折々に開催してきた。
昭和30(1955)年9月25日、『現代詩選』第1集(河出書房版)を刊行。第2集(吾妻書房版)は昭和34年7月刊。その後も、ほぼ隔年の刊行で今日に至る。
昭和33(1958)年10月、エッセイ集『文学論叢』(吾妻書房版)刊行。
昭和35(1960)年11月12日、10周年記念「講演、朗読、独唱、映画の会」開催。
昭和40(1965)年10月16日、15周年記念講演会を昭和女子大学講堂で開催。講演者は、西脇順三郎、矢野峯人、西条八十。その後も5年ないし10年毎に記念祝賀会を開催。
昭和43(1968)年、日本詩人クラブ賞を設立。第17回から正賞は高田博厚氏制作のレリーフ。
昭和60(1985)年、第一回詩書画展開催。その後も、1、2年毎の開催で今日に至る。
昭和63(1988)年6月25日、大阪弥生会館において関西大会開催。その後も隔年に開催してきた。
平成3(1991)年、日本詩人クラブ新人賞を設立。正賞は福本晴男氏制作のブロンズ像。
平成9(1997)年、日本詩人クラブ編『〈現代詩〉の50年』(邑書林)を刊行。
平成12(2000)年、日本詩人クラブ創立50周年・日蘭文化交流400年記念「東京詩祭2000」を開催。日本詩人クラブ編『日本の詩100年』(土曜美術社出版販売)刊行。『日本現代詩選』第30集(創立50周年記念号)刊行。
平成13(2001)年、雑誌「詩界」復刊、号数に通巻を記す。第1回日本詩人クラブ詩界賞を設立。正賞は村井和夫氏制作のブロンズ像。海外客員会員新設。
平成18(2006)年7月3日、有限責任中間法人日本詩人クラブ設立。平成21(2009)年、法律改正により一般社団法人に移行。
平成19(2007)年より平成29(2017)年、例会、理事会等を主に東京大学駒場にて開催。
平成22(2010)年には同60周年記念「東京詩祭2010」を開催。60周年を記念して前年より2年に亘り国際交流インド/ネパールを開催。平成23年は「国際交流韓国2011」。 (文責 川中子義勝)
2024年(令和6年)11月現在 会員705名 会友73名 総数778名